あ〜ぁ、ちっちゃい、ちっちゃい。縮んでいく自分。
コロナ禍が猛威を振るう中、会社の机と自宅の炬燵が今の居場所。自由に旅行やキャンプに行ける日はいつ来るのだろう。
図書館で見かけた一冊の本。「はじめての世界一周」(吉田友和、松岡絵里著/PHP研究所刊)。10年前に発刊された少し古ぼけた真っ黄色の本。なんとなく気になってページをめくったら一気に引き込まれた。
20代半ばで寿退社して二人で巡った607日間の世界一周47ヶ国、かかった総費用一人230万円。自分には全く無縁のものだと思っていた世界一周を身近に感じた瞬間だった。
定義によれば、世界一周とは、太平洋と大西洋をそれぞれ1回渡って出発地に戻ってくること。世界一周航空券を使えば、40万円前後の費用で16回までの国際線に搭乗することができるという。JALやアメリカン航空が加盟するワンワールドやANAやユナイテッド航空が加盟するスターアライアンスなどの航空連合毎に提供され、加盟している航空会社の路線を1年間の有効期間に組み合わせて使える。こんなチケットがあったんだ!
最近ちっちゃく縮こまっていた心のどこかに火がついて溶けていくような気がした。このチケット使えば夢にしか思っていなかった世界周遊が出来るかもしれない。あと1年ちょっとで定年退職、そんな節目に何かしたい、働き続けてきた35年、自分にこのくらいのご褒美を考えたってバチは当たらないだろう。
ワクチンが開発され一縷の光は差してきたもののいつ解禁されるか分からない海外渡航、2,000万円は老後に必要だという警鐘、経営難で再編が進む航空路線。今までのように自由に海外へ行ける日が本当にやって来るのか不安は尽きないけれど、今の長いトンネルを抜けるときは必ずやってくる。そのとき世界は明らかに変わる。そんな世界を憧れの各地でリアルに体験できたらこんなステキな第2の人生の幕開けはない。こんなことを夢想していたら久しぶりに胸のときめきを感じてきた。大きな世界が待っている。(2020年12月8日)
退職を1年後に控えた自分はこんなことを書いていた。そして退職して3ヶ月ちょっと。COVID-19は第7波に入り未だに収まりをみせない。しかしながら入院率は確実に減って行動制限も直ちに発する必然性が薄れてきている。もうすぐかなぁ・・・。もう一回、心に火を灯そう!